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| アリストテレス 『形而上学』 |
| 書 名 | 『形而上学』 | Metaphysics(Τα μετα τα φυσικα) |
| 著 者 | アリストテレス | Aristoteles |
| 訳 者 | 岩崎勉 | Hugh Tredennick + G.Cyril Armstrong |
| 叢 書 | 講談社学術文庫1116 | Loeb Classical Library 271, 287 |
| 出版社 | 講談社 | Harvard University Press |
| 頁 数 | 文庫判698頁 | 473+685 pages |
| 定 価 | 1748円(本体) | |
| 発 行 | 1994年03月10日 | 1933, 1935(原典の成立年は不明) |
| ISBN | 4-06-159116-9 | 0-674-99299-7, 0-674-99317-9 |
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存在としてある限りにおける存在の諸原理、諸原因を探求すること。これが『形而上学』の課題である。アリストテレスが「存在としてある限りにおける存在」と言うのは、たとえば物理学が存在を運動体として扱うのに対して、存在をその一様態としてではなく存在そのものとして探究することを強調するためである。そしてかれは存在としてある限りにおける存在の諸原因を探求するための学問は、哲学(「第一哲学」あるいは「神学」とも)にほかならないと言う。つまり、本書は哲学とは何であるかをつまびらかにし、その仕事ぶりを見届けるための書物であると言ってよい。
アリストテレスはこの存在の探究を、先哲の意見を吟味するところからはじめる。タレス(タレスが「哲学の創始者」の称号を与えられるのはここにおいてである)にはじまり、アナクサゴラス、エムペドクレス、レウキッポス、ピュタゴラスそしてプラトン……と続くアリストテレスの審問からただちに気づくのは、かれがあらかじめ「四原因」という自前の枠組みを持っており、これを基準に各哲学者の意見を批判しているということである。この、ソクラテス=プラトンの問答法(ディアレクティケー)とは大きく異なる方法に、アリストテレスの底意地が見え隠れしている。これは、本書の読者が追求すべきポイントのひとつであり読みどころであろう。[★1] 本書は通読するとわかるように、けっして通読に適した書物ではない。元々は一冊の書物として整えられたものではなく、アリストテレスの歿後、講義論文を元に編まれたためだ。イデア論批判があちらこちらの巻に繰り返されるかと思えば、第5巻は「哲学用語辞典」とでもいうべき体裁の記述からなり、後半は『物理学』(『自然学』)からの抜粋であるといった具合に、まるでうまく組み合わせられていない断片からなる未完のジグソー・パズルを眺めているようだ。また、アリストテレスが本書の中でしばしば自著への参照をうながしていることからもわかるように、本書のみを独立して読んでもその意を充分にくむのはむずかしい。畢竟アリストテレス著作集全体への目配りが要請されるところである。本書については別途、読解作業を進める予定。(八雲出) ★1―― 現在、ディールスとクランツによる『ソクラテス以前哲学者断片集』(全5分冊+別冊1、岩波書店)が日本語に移されているので、それぞれの哲学者についてアリストテレスが引用した箇所としなかった箇所を比較してみるのもおもしろい。また、プラトンについても原典にあたるにしくはないが、たとえば藤沢令夫氏の近著『プラトンの哲学』(岩波新書新赤版537、岩波書店、1998)などの積極的な読みを、アリストテレスのイデア論批判と比較してみるのもよいだろう。
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『形而上学』の邦訳は上記以外に以下の書物でも読むことができる。
・『形而上学』(出隆訳、岩波文庫青604-3,4、全2冊、1959-61) 『世界の名著』版では、『形而上学』のほかに田中美知太郎氏による解説「アリストテレスの思想と生涯」、『政治学』(抄訳)、『詩学』、『エウデモス倫理学』(抄訳)を読むことができる。『形而上学』は第5、11、12巻が収録されている。なお、本書評の書誌欄に掲載した Loeb Classic Library 版は、ギリシア語=英語の対訳である。
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