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ジル・ドゥルーズ『ヒュームあるいは人間的自然――経験論と主体性』


■書誌■

書 名  『ヒュームあるいは人間的自然――経験論と主体性』   Empirisme et Subjectivité. Essai sur la nature humaine selon Hume 
著 者  ジル・ドゥルーズ   Gilles Deleuze 
訳 者  木田元+財津理    
叢 書  エピステーメー叢書   Épiméthée 
出版社  朝日出版社   Presses Universitaires de France 
頁 数  284頁   152 pages 
定 価     84FF 
発 行  1980年05月25日   1953 
ISBN     2-13-045564-6 


■書評■

ドゥルーズはヒュームからひとつの問いとその展開を受け取った。いかにして主体は所与のうちにありながら所与を超え出るものとして構成されるのか。これがその問いである。そして、人間本性(人間的自然)の諸原理の効果を検証することによって主体構成のメカニズムを見極める。これがその問いの展開である。やがて、主体が所与のうちにありながら所与を超え出るものとして構成されるのは人間本性の諸原理の効果としてもたらされた信念によるものだということが明らかになるだろう。ヒューム=ドゥルーズは人間本性の諸原理とは何かを問うのではなく、人間本性の諸原理は何を為すのか、その効果を問う。これが彼らのスタイルだ。哲学は存在についての観想ではない。またそれは存在に働きかけるという意味での実践でもない。わたしたちが為すことは、諸所与のうちにありながらそれらの間に関係を打ち立て体系を創造するというパラドキシカルな実践にほかならないが、その実践において働く諸原理の効果を探究することがはじめから問題だったのである。だからこそ、ヒューム=ドゥルーズの哲学は道徳、法、制度、政治、経済といった諸活動の実践へと広く開かれているのだ。(吉田浩)


■備考■

本書はドゥルーズの実質上の処女作と呼ばれているものだが、その前年にアンドレ・クレソンとの共著『ヒューム――その生涯と著作』(Andre Cresson et Gilles Deleuze, David Hume, sa vie son oeuvre, Presses Universitaires de France, 1952)を刊行している。これはPUFの入門書シリーズ「哲学者たち」(Philosohes)の1冊である。なお、本書の改訳版が1999年春に河出書房新社より刊行予定。

〔追記〕

その後、本書邦訳書の改題・改訳版が出ている。

『経験論と主体性――ヒュームにおける人間的自然についての試論』(木田元+財津理、河出書房新社、2000/01)

また、上記「備考」で触れたA.クレソンとの共著もその後邦訳が出た。

『ヒューム』合田正人訳、ちくま学芸文庫、筑摩書房、2000/02)

なお、『ヒューム』には訳者・合田正人氏による約80頁に及ぶ解説「ドゥルーズによるヒューム」も併録されており参考になる。併せて読まれたい。ドゥルーズのその他の著作についてはこちらを参照。(八雲出)



■リンク■

ディヴィッド・ヒューム『人性論』当劇場内の書評。



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