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中沢新一『はじまりのレーニン』


■書誌■

書 名  『はじまりのレーニン』  書影
著 者  中沢新一 
出版社  岩波書店 
頁 数  四六判232頁 
定 価  1748円(本体) 
発 行  1994年06月01日 
ISBN  4-00-003731-5 


■書評■

レーニンの唯物論の核心へとまっすぐに読者を引き入れる本書のキーワードは「笑い」だ。動物に触ることをたいへん好んだレーニンが噴出させる笑いの発作は、そのまま原初の生命の律動に触れた喜びをあらわしている。その律動こそがレーニンにとっての「客観」であり、哲学(唯物論)とはその「客観」へと無限に近づいていこうとする実践にほかならなかった。中沢はこのようなレーニン哲学の核心を提示するとともに、彼をグノーシス主義、ベーメ、そしてヘーゲルへと連なるもうひとつの哲学史の流れに位置づける。本書は、哲学的には粗末に扱われがちなレーニン哲学の原像を掘り起こす貴重な試みであるとともに、新鮮味のなくなった「唯物論vs観念論」の構図に新たな側面から息を吹き込み、さらには唯物論本来の豊かさを提示することに成功している。(吉田浩)

本書はその後、岩波同時代ライブラリーから再刊された。



■リンク■

・ROUTE#005「唯物論死せず‐当劇場内の書評ROUTE。

中沢新一宗教入門‐当劇場内の書評。

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