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フリードリヒ・W.ニーチェ 『道徳の系譜』


■書誌■

書 名  『道徳の系譜』   Zur Genealogie der Moral 
著 者  フリードリヒ・W.ニーチェ   Friedrich Wilhelm Nietzsche  
訳 者  木場深定    
叢 書  岩波文庫青639-4    
出版社  岩波書店    
頁 数  文庫判218頁    
定 価  460円(本体)    
発 行  1940年09月10日   1887 
ISBN      


■書評■

本書はそのモチーフからして個々人の道徳的人生論の書であるよりもむしろ、道徳の社会史的もしくは世界史的、さらには自然史的考察である。別の言い方をすれば、いかにルサンチマンを克服して生きるかということを論じた書であるよりもむしろ、キリスト教的内面としての道徳がルサンチマンによる奴隷一揆によって想像の世界はおろか現実の世界においても圧倒的な勝利を収めた過程を系譜学的に明らかにした書だということである。だからルサンチマンの概念を近代的諸個人の人格にのみ結びつけて考えることは、本書のもつ重大な意味を過小評価することになろう。むしろ、1.われわれが生きているこの世界は奴隷一揆の成就された後の世界であり、すでにその起源は隠蔽されているということ、2.だからその起源を問うことやルサンチマンによる価値転倒を克服するなどということは非常に困難な仕事だということ、を本書とともにまずは確認することからはじめなければならない。(吉田浩)


■文献案内■

本書の邦訳にはつぎのものがある。

『ニーチェ全集 第11巻 善悪の彼岸/道徳の系譜』(信太正三訳、ちくま学芸文庫、1993)



■リンク■

哲学の劇場 > GP MAP > ROUTE#004「道徳の系譜学」−道徳の系譜学をテーマにした批評集。(当劇場内)

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