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ホセ・オルテガ・イ・ガセット 『哲学の起源』


■書誌■

書 名  『哲学の起源』   Origen y Epilogo de la Filosofia 
著 者  ホセ・オルテガ・イ・ガセット   Jose Ortega y Gasset 
訳 者  佐々木孝    
出版社  法政大学出版局    
頁 数      
定 価      
発 行  1986年10月15日    
ISBN      


■書評■

いまだ何者によっても名指されないものをはじめて言葉にうつしとること。詩のはたらきにも似た言葉の創造を、われわれは哲学の営為のひとつに数えることができる。およそ2500年の歳月のなかで鍛え上げられてきた哲学の言葉を手にとり使うわれわれは、それらを既成のもの、自明のものとして扱うのでは不十分である。その言葉がまさに産み出されなければならなかったその瞬間、言葉が創造される瞬間へわれわれは立ち会わなければならない。

哲学とはたとえば大学で教わることのできるレディメイドのなにかではない。本当に哲学することとは、哲学さえなかったはずの場所へ身をおき、その誕生に立ち会うことである、とオルテガは言う。かれはまた弁証法とは考えつづける義務である、とも言う。純粋理性ならぬわれわれ歴史的理性はつねに目の前の具体的な現実を、一様相を認識するほかにない。われわれが手にする真理がつねに部分的な真理であるならば、われわれは考えることをやめることはできない。であればオルテガは「哲学とは存在への問いかけである」という手垢にまみれたフレーズに安寧しない。それではまるで「存在」なるものがわれわれの眼前にあるかのごとくではないか、とかれは言う。むしろかれはその存在なるものが要請される場へと向かうのである。(八雲出)




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