はじめに
A、哲学とはなにか
1、哲学史に関する俗説
a、哲学史をさまざまな思いこみの貯蔵庫だとする説
b、哲学史そのものが哲学的認識の無効を証明しているとする説
c、哲学の多様性に関する説明
2、哲学史を概念的に定義する
a、発展という概念
b、具体という概念
c、哲学とは具体的なものの発展を認識するものだ
3、結論 - 哲学史とはなにか
a、さまざまな哲学の時間的発展
b、哲学史をどうとりあつかうか
c、哲学史と哲学とのさらなる比較
B、哲学と哲学以外の領域との関係
1、つながりの歴史的側面
a、哲学が可能になるための外的歴史的条件
b、哲学を精神的に必要とする時代の到来
2、哲学と関連領域との区別
a、哲学と学問的教養との関係
b、哲学と宗教との関係
c、哲学と通俗哲学との区別
3、哲学および哲学史のはじまり
a、思考の自由がはじまりの条件である
b、東洋および東洋哲学との決別
c、ギリシャにおける哲学の開幕
C、哲学史の時代区分、資料、論じかた
1、時代区分
2、資料
3、論じかた
東洋の哲学
宗教的な世界観が哲学とみなされがち
理由=宗教的な観念が個人としてあらわれず、一般的な観念という性格をもつ
一般論が優勢なため、それが哲学的思想となってあらわれる
個人が宗教的な絶対者と一体化し、埋没する(ことにのみ真の価値がある)
A、中国の哲学
孔子 - 通俗道徳。思索的な哲学なし
易 - 抽象的な思想、純粋なカテゴリー。具体的ではあるが、概念的、思索的ではない
B、インドの哲学
哲学が宗教と一体化 - 『ヴェーダ』
一つの普遍的な実体から一切が生ずる
→一方に神々、他方に動物と自然、中間に人間
すぐれた点=意識をもった人間が礼拝、犠牲、哲学などによって実体と一体化できるという考え方
1、サーンキヤ哲学
2、ガウタマとカナーダの哲学
第1部 ギリシャの哲学
はじめに
七賢人
時代区分
第1篇 タレスからアリストテレスまで
A、イオニアの哲学
1、タレス
哲学のはじまり - 一なるものを本質とした
本質はかたちなきもの、水である
2、アナクシマンドロス
否定によって「原理は一なるもの」といういいかたを超えた
絶対的な実在は単一なものではなく、否定的なもの
どこまでも広がるもの、有限を否定したもの
3、アナクシメネス
ふたたび自然元素、空気を本質とした
B、ピタゴラスとピタゴラス派
実在主義から知性の哲学へ - 絶対的なものを思考(数)によって定義した
一つの持続する普遍的な理念を示した
思想を明確に表示するものを示した
しかし、いまだ概念を純粋思考として表現する形式をもっていない
数は概念ではあるが、イメージや直感にたよっている
1、数の体系
数が万物の本質であり、宇宙は調和的な数の体系である
2、数を応用して宇宙をとらえる
宇宙は数の体系 - 宇宙が思想としてとらえられる
しかし、数による定義の抽象性が露呈
3、実践哲学
哲学的思索なし
異質なものの対立、対立を含んだ統一がみられない
C、エレア学派
絶対的な実在を純粋概念として表現した
概念、思考の運動を示した
無からはなにものも生じない(生成は消滅はありえない)
1、クセノファネス
感覚世界をなげすて、純粋な思想を提示
絶対的実在を一なるものだと定義
2、パルメニデス
本来の哲学のはじまり - 理念の世界への上昇
存在(「ある」)という必然的なものだけが真理
思考=思考の主題(存在の外では思考は無)
3、メリッソス
みるべきところなし(パルメニデスと同じ思想や議論)
4、ゼノン
弁証法の創始者
エレア派の純粋思考を概念の自己運動たらしめた
結論は他のエレア派と同様だが、あると仮定したものがみずからを否定するさまを提示
(従来のエレア派は、無は存在しない、だから生成や消滅もない、というだけ)
D、ヘラクレイトスの哲学
はじめて哲学的理念が純粋な形をとった
弁証法そのものが哲学的原理となった
=生成は最初の具体的なもの、内部で対立物を統一した絶対的なもの
1、論理的な原理
絶対的はものは存在と非存在の統一
「なる」が原理 - 運動の観念
2、実在のありかた
自然の本質は過程
実在は過程である - 火
3、一般的な過程、および、過程と意識との関係
自然はそれ自身論理的であり合理的
自然をとらえるためには意識は客観性を保持しなければならない
E、エンペドクレス、レウキッポス、デモクリトス
感覚的なものを理想化し、一般的なものとしてあつかう
1、エンペドクレス
善と悪を絶対的原理にすえた最初の人
「目的」の原理の萌芽(善)
世界は四元素(実在の原理)+友情と敵意(観念上の原理)からなる
2、レウキッポスとデモクリトス
純粋概念が物体的な意味を獲得
自立存在の原理が登場
絶対的に存在するのは原子(存在)と空虚(非存在) 一(原子)と連続(空虚)が対立
原子同士は外的な関係にとどまる
F、アナクサゴラス
純粋な思想こそが真理
絶対的な思想そのものが実体(対立なき一般性)
1、一般的な思想原理
知性(ヌース)が世界の単一な実体=普遍的なもの(統一するもの)
初めて普遍的なものが自分自身を明確にしていく目的原理として登場
2、部分均質体
存在する個々の物質は、同種同質の部分からできている
→エレア派を同じ原理
3、知性(ヌース)と物質との関係
両者が統一としてとらえられることはない
知性にしたがって存在する最善のもの(目的因)と自然的原因(動力因)との対立
第2章 ソフィストからソクラテス派まで
主観的な反省の時代
A、ソフィストの哲学
ギリシャ最初の「教養(=有用な知)」の教師
概念の力こそ唯一絶対(知=支配の力→弁論術)
感情的なものが説得の根拠
1、プロタゴラス
普遍的な根本観念を獲得
万物の尺度は人間
2、ゴルギアス
懐疑主義を一段と進める
存在はそれ自体では存在しない
観念と存在の違いに固執→存在するものの認識は不可能
B、ソクラテスの哲学
「自然とはなにか」から「真理とはなにか」へ
客観的な真理を主観の思考に還元
善を発明
1、ソクラテスの方法
ひとりひとりに自分のなすべきことを考えさせる
特殊な事例から一般的原理をみちびく
2、善の原理
真理がなんであるかは意識が自主的に判断
普遍的なもの(世界および個人の目的)は思考によってみちびかれる
3、ソクラテスの運命
ソクラテス裁判=アテネの民族精神の、自らを破滅にみちびく原理への対抗
正義と正義がぶつかりあう普遍的倫理的な運命(偶然のものではない)
C、ソクラテス派
1、メガラ学派
単純な形式の善が原理
分析的論理学の根本命題に固執し同一律を真理とみなす→詭弁論理を生産
a、エウクレイデス
真理の単純さ、真理の同一性が原理
b、エウプリデス
真理は単純だから、答えも単純なものが要求される
c、スティルポン
もっとも有名な論争家
同義反復を意識
対象そのもの以外の述語をつけてはならない(同一律)
2、キュレネ学派
快楽ないし満足としての善が原理
a、アリスティッポス
なにが快感であるかは哲学的思考によってのみ理解できる
感覚こそが根本=意識と対象との関係こそが原理
b、テオドロス
感覚は一般化されねばならず、一般的な知性が必要となる
c、ヘゲシアス
感覚は一般化できない→完全な幸福はない
幸福などつまらぬもの=完全な無関心こそ賢者の境遇
d、アニケリス
教養の通俗化、一種の道徳哲学
3、キニク学派
自然的欲求としての善が原理
しかしその禁欲は自由を断念することに等しい
a、アンティステネス
どんな欲望ももたぬことは神に等しい
徳は理屈や理論を必要としない
b、ディオゲネス
最小限の自然の必要だけを満たそうとした
c、後期キニク派
哲学的に注目すべきものなし
第3章 プラトンとアリストテレス
A、プラトンの哲学
1、問答法(弁証法)
2、自然哲学
3、精神の哲学
B、アリストテレスの哲学
1、形而上学
2、自然哲学
3、精神の哲学
a、心理学
b、実践哲学
α、倫理学
β、政治学
4、論理学
第2篇 独断主義と懐疑主義
A、ストア派の哲学
1、自然学
2、論理学
3、道徳
B、エピクロスの哲学
1、基準学
2、形而上学
3、自然学
4、道徳
C、新アカデメイア派の哲学
1、アルケシラオス
2、カルネアデス
D、懐疑派の哲学
1、古い方式
2、新しい方式