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Vol.013

========●メールマガジン「哲学の激情」Vol.013 (1999/05/17)●========

■「哲学の激情」は八雲出と吉田浩がお送りするメールマガジンです。
■不定期配信です。いつ来るかわからないので気を付けてくださいね。
■ご希望、ご感想、文句などドシドシお寄せください。


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ホームページ更新状況 (1998/12/30〜 )
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●GP Book Mapにジル・ドゥルーズ『ヒュームあるいは人間的自然』の書評を追加 (吉田浩)●

●GP Book Mapにウィリアム・ジェイムズ『プラグマティズム』の書評を追加(吉 田浩)●

●GP Book Mapにカール・シュミット『政治的なものの概念』の書評を追加(吉田 浩)●

●GP Book Mapにマーク・ポスター『文化史とポストモダニティ』の書評を追加 (北村洋)●

●GP Book Mapに大島渚『大島渚1960』の書評を追加(北村洋)●

●GP Book Mapにマイク・デイヴィス『水晶都市ロスアンゼルス』の書評を追加 (北村洋)●

●GP Book Mapにミシェル=ロルフ・トリオール『沈黙された過去――ハイチ革命と歴史の生産』の書評を追加(北村洋)●

●GP Book Mapにローレンス・レヴィーン『ハイカルチャー/ローカルチャー ――アメリカ文化の階層構造』の書評を追加(北村洋)●

●GP Book Mapにデイヴィッド・ヒューム『』の書評を追加(八雲出)●

●GP Book Mapにリチャード・クーセル『誘惑されるフランス人――アメリカナイゼイションというジレンマ』の書評を追加(北村洋)●

計10本もの書評追加。すばらしいですねえ。偉いですねえ(ってメールマガジン発行を半年もサボってたらいくらなんでもこれくらいはたまるわな)。みなさまもお気づきのとおり、このたび新たに執筆者に北村洋氏を迎え、とりあげる書物の幅もぐっと広がりました。可及的速やかに時代に斬り込む哲劇書評の今後に、どうぞご期待ください!

さらにさらに、もしかしたらみなさまもすでにお気づきになっているかもしれませんが、書評ページのデザインが一新されました。従来からのROUTE(S)による分類のほか、作成順、作品名、著者名からお目当ての書評をご覧いただけます。 http://www.logicophilosophicus.net/gpmap/index_gp.htm

より使いやすく、よりカッコよく、よりピースフルに、よりハッピーに、そしてよりキュートに(以下略)が当劇場のモットーでありまして、おかげさまで新デザインについてもみなさまより「すばらしい!」「使いやすい!」「カッコいい!」「キャワユイ!」「キュートだ!」など絶賛のメッセージばかりをいただいております(約1名除く)。今後も続々と新企画が目白押しの哲劇に、どうぞご期待ください!

ところで、「どうぞご期待ください!」ばかりなのは気のせいだろうか。うん、きっと気のせいだろう。そうだそうだ。

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刮目せよ新刊
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●E.レヴィナス『レヴィナス・コレクション』ちくま学芸文庫●

ちくま学芸文庫の一翼をなす「20世紀クラシックス」に『レヴィナス・コレクション』があらわれました。(どうでもよいことではありますが)これまでに出版されたコレクションとしては、ベンヤミン(全3巻)、ジンメル、メルロ=ポンティなどがあります。コレクション・コレクション家の小生としては読んで理解できるかどうかは別として、コレクションする次第。

レヴィナスついでに。

5月21日には、熊野純彦氏の『レヴィナス入門』(ちくま新書200)が、6月には同氏のレヴィナス論『レヴィナス――移ろいゆくものへの視線』(岩波書店)が刊行予定です。また上記『レヴィナス・コレクション』の編訳者合田正人氏の「解説」によれば、同氏の『レヴィナスの思想』(弘文堂、1988)が近くちくま学芸文庫から再刊予定であり、また、『レヴィナスを読む』(仮題、NHKブックス)も刊行予定とのことです。まさにレヴィナス三昧の日本読書界といえるでしょう(だからなに? 読書界って)。

きたるべきレヴィナス・ラッシュへの備えとして、港道隆『レヴィナス 法-外な思想』(「現代思想の冒険者たち」第16巻、講談社、1997)は便利かもしれません。また、手軽に入手できるレヴィナスの作品としては、西谷修氏の翻訳になる『実存から実存者へ』(講談社学術文庫1257)があります。内容が手軽かどうかは保証の限りではございません。

「ああ、もう、こんなにレヴィナスばっかり紹介するものだから、気になっちゃうじゃないの。ほかになにがあるの?教えてごらんなさい」という貴姉兄には、つぎのサイトをば。

★POLYLOGOS > レヴィナス書誌
 http://www.nakayama.org/polylogos/philosophers/levinas/levibib.html

『フーコー入門』(ちくま新書)の著者、また、レヴィナス、フーコー、フロイト、メルロ=ポンティ他の翻訳者、中山元氏のWEBサイト内にある書誌情報です。

レヴィナスに手間どったので、あとは簡潔に。

●F.キットラー『グラモフォン・フィルム・タイプライター』筑摩書房●

石光泰夫+石光輝子訳。『ドラキュラの遺言』(産業図書、1998)もどうぞ。

●G.バタイユ『[新訂増補]非―知 閉じざる思考』平凡社ライブラリー287●

西谷修訳。『内的体験』が同平凡社ライブラリーで、『文学と悪』がちくま学芸文庫で読めます。もちろんほかにもたくさんあります、日本語で読めるバタイユ。

●稲垣良典『トマス・アクィナス』講談社学術文庫●

かつて「知的遺産」シリーズの一冊として出版された書物の再刊です。同著者の『天使論序説』も講談社学術文庫でどうぞ。

●『キケロー選集』(全14巻)岩波書店●

そういえば、キケロー(Marcus Tullius Cicero, 106BC-043BC)のまとまった邦訳って、なかったのですね。5月に第1回配本で、以下隔月配本だそうです。

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雑談
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「あ、そういえばこんなメイル・マガジンを購読していたっけ、わたしったら。なつかしいナ」なンて、記憶の背景へしりぞいていた友達から届いた手紙を読むような感慨にふけっておられるやもしれませぬ(ないですか、そうですか)。ひさびさの「哲学の激情」をお送りいたします。

近年、肺結核がまたぞろ流行のきざしをみせているようでして、やれ集団感染が発生したなどの報道もちらほらと見聞いたします。かく言う小生も昨年これをやらかしまして、およそ一年の間、毎朝欠かさず薬を飲み、食事と睡眠をきちんととるように、また、疲れるようなことはなるべくしないでください、とこんなに差し迫った状況でもなければとても守れそうもない生活指導をうけ、それでもしかたがないので無理矢理よく眠り・よく食べ、重たいモノを運ぶこともできるだけ避けるなど、おとなしく教えを実践いたしました。といっても肺から結核菌を排出して他の人に感染させてしまうような状態ではなかったゆえ、幸か不幸か「魔の山」送りにはならず、日常生活をつづけた次第であります。白状すれば、いっそサナトリウムで読書三昧でも、などと不埒な考えがまったくなかったといえば嘘になるかもしれませんが、強制されないものを自分から「おねがいです」なンて希望するのもヘンなので通院で治療したのでした。

ちなみに自覚症状は薄く、1)体重が激減した、2)間歇的に微熱が出る、3)肺のレントゲン写真に白い陰がうつっている、などの諸症状が手がかりです(十分という話も)。3ばかりは撮影しないとわかりませんが、1と2に該当する方は一度診てもらうとよろしいかもしれません(って脅かしているわけじゃないですよん)。

さて、こんな話にお付き合い願っているのはわけがありまして、小生の知人には少なからずつぎのような推理(?)をする者がおったので、この際誤った認識を正そうと筆を執った次第(えっへん)。彼/彼女ら曰く、「お前の部屋に山積している古本の山が原因だ。あれらの本のいずれかから結核菌が舞い出でて、君の肺をおかしたのだよ」と。賢明なるわが読者諸姉兄はここで「そうにちがいない」などと首肯しないだろうとは思うものの、一抹の不安を禁じ得ないゆえに申し上げたい。医師のうけうりではありますが、結核菌は、それを排出する人があって、彼の人が排出した結核菌をば吸い込むから伝染るのであります。断じて古本の黴にまじって吸引されるなどということは……ないかしら?――と妄想する。たとえば。結核をわずらっていることを知らず病床で本をひろげる男がいると思いなさいね。枕元には水のはいった急須と変哲もないガラス・コップが盆においてある。もう何日もあたらない髭がごま塩みたように生えたそんな男でさあね。彼は煎餅みたいな布団をしいた四畳にふせって本を読んでいる。開いているのは、さしずめスペンサアの『神仙女王』(The Faerie Queene)だとしなさいな。男はときおりコホコホと乾いた咳をする。先生の肺からあれとばかりスペンサーの頁に結核菌がぱらぱらこぼれる。もちろんそんなことは感知しない先生。数日後にはあえなくあの世行き。さて、身近な親類がいない先生、遠い親戚とやらが片づけにやってくる。部屋にのこされたのは煎餅布団とわずかばかりの蔵書。親戚は古本屋を呼んで、このごみの山を片づける。毎度、と古本屋はリヤカーを引いて帰る。店頭にならべる。そこへ馴染みの客がやってくる。「どうもこう暑くっちゃやりきれませんな。ときに、きょうは新しい本がはいりましたよ。英文学が中心ですから、先生はきつとご関心がおありでしょう」 先生、件のスペンサアと何冊かを購う。帰宅して夕餉をすませ、子供たちをねかせたら書斎で古書をひもとく。先生は紙のかおりをかぐのが好きで一冊ずつ開いては鼻を頁の谷間にうずめる。ところがここで会ったが百年目。スペンサアからは紙のかおりと一緒に余計なやつが吸い込まれる……。先生の運命やいかに?

長々と失礼いたしました。ではまた、次回「哲学の激情」でお会いいたしましょう。ご機嫌よう、左様なら。

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