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Vol.014

========●メールマガジン「哲学の激情」Vol.014 (1999/12/16)●========

■「哲学の激情」は八雲出と吉田浩がお送りするメールマガジンです。
■不定期配信です。いつ来るかわからないので気を付けてくださいね。
■ご希望、ご感想、文句などドシドシお寄せください。
■八雲出と吉田浩が交代で配信します。
■今回は八雲出がお届けします。


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ホームページ更新状況 (1998/05/17〜 :-)
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Geo-Philosophical Book MAP
 GP MAP【書評集】 に以下の書評を追加しました。

★上野千鶴子『ナショナリズムとジェンダー』、吉田裕『日本人の戦争観――戦後史のなかの変容』比較書評(北村洋)

★アン・マックリントック帝国の表皮――植民地化における人種、性、セクシュアリティの言説(北村洋)

★フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』(北村洋)

●GP MAP に金子郁容『〈不確実性と情報〉入門』の書評を追加(吉田浩)●

●GP MAP に エリック・ホブスボーム『国家とナショナリズム 1780-』の書評を追加(北村洋)●

●GP MAP に アーサー・C.ダント『ポスト歴史時代における芸術』の書評を追加(北村洋)●

●GP MAP に マイク・デイヴィス『恐怖のエコロジー――ロスアンゼルスとカタストロフィの恐怖』の書評を追加(北村洋)●

前回のお知らせ(Vol.13, 1999/05/17)から、7本の書評が新しく追加されています。北村洋の独り勝ちですね。吉田浩が1本で愚生が零、と。別に勝負しているわけではないんですが。

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刮目せよ新刊
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この半年近くの間に何度か書きかけたタメライ傷のような(^-^;) vol.14 のメモを読み返すというと――ジャック・デリダ『基底材を猛り狂わせる』(松浦寿輝訳、みすずライブラリー)やエドムント・フッサール『経験と判断』(長谷川宏訳、河出書房新社)から始まって、ルイ・アルチュセール『哲学・政治著作集』(全2巻、市田良彦+福井和美訳、藤原書店)、サイード『パレスチナへ帰る』(四方田犬彦訳、作品社)、F.ドッス『構造主義の歴史』(上下巻、佐山一+清水正他訳、国文社)、『鈴木孝夫著作集』(全8巻、岩波書店)、『鈴木大拙全集』(全40巻、岩波書店)、ハイデッガー『シェリング講義』(木田元+迫田健一訳、新書館)、『フレーゲ著作集』(全6巻、勁草書房)などの書誌と拙紹介駄文が、俺の屍を越えてゆけと言わんばかりに累々と横たわっております(意味不明)。しかし、「激情」読者諸賢におかれましては、こうした書物などはとうの昔に購い、読み、あまつさえ、古書店に売り払う、もしくは、「いらないよ」と言ってきかない友人にそれでも無理に押し付けてちゃったり、はたまた、読了と同時に下車した駅の屑物入れにこれ幸いとポイしちゃっていたりするかもしれない、と推察いたしますゆえ、ここは一つ気をとりなおして比較的最近あるいは近刊に的を絞りなおしてみたいと思う次第。あ、前置きが長くなったので、書誌だけ並べますね。

今回は、購読の参考になる「頁単価」情報(少数第2位で四捨五入)と「帯惹句」のおまけつき。

●G.W.F.ヘーゲル『イェーナ体系構想』法政大学出版局●

加藤尚武監訳。座小田豊+栗原隆+滝口清栄+山崎純訳。280頁。5700円+税。頁あたり27.4円(税別)。帯惹句「1803〜6年のイェーナ大学講義のうち『精神哲学』(いわゆる『実在哲学』I・II)講義草稿初の完訳。ヘーゲルが自ら抹消した草稿部分を復元しつつ、『意識』から『国家・歴史』へと弁証法が具体化される過程を明示し、ヘーゲルの思索の苦闘のドラマを甦らせる」

およそ4頁で珈琲一杯の勘定(カップベンダーで単価100円として)。と言えば比較をしているようですが、場所の広さを東京ドーム単位で言われてもわからないのと一般ですな。こりゃ。

●I.ウォーラーステイン『ユートピスティクス――21世紀の歴史的選択』藤原書店●

松岡利道訳。162頁。1800円+税。11.1円/頁(税別)。「地球環境、エスニシティ、ジェンダーなど近代資本主義の構造的諸問題の探究と来世紀以降の社会像の具体化を図る/21世紀への知/ユートピスティクスの樹立宣言」

おお、さすがPR誌『機』でもお値ごろですよー、とおっしゃっていただけのことはある。およそ9頁ごとに珈琲一杯です。

●P.ヴィリリオ『情報化爆弾』産業図書●

丸岡高弘訳。197頁。2100円+税。10.7円/頁(税別)。「ポストモダンの最終兵器か/前著『電脳世界』につづき、情報化社会に警鐘をならす話題作。情報の無限連鎖的な増幅がもたらす破局――/すなわち情報の『臨界反応』が現代社会を脅かす」

●A.グラムシ『知識人と権力――歴史的−地政学的考察』みすず書房●

上村忠男編訳。214頁。2700円+税。みすずライブラリー第II期第7回配本の一冊。12.6円/頁(税別)。「知識人とは、サバルタンとは、地政学的考察とは?『南部問題についての覚え書き』はじめ、現代の読者のために、イタリアの思想家のエッセンスを新たに編集する」

●中井久夫『西欧精神医学背景史』みすず書房●

246頁。2200円+税。同上。8.9円/頁(税別)。「『人類史の中でヨーロッパとは何か』。若き日の著者をとらえつづけた問いへの答えを探りつつ、広範な分野の研究書を渉猟し、構築された異色の精神医学史」

おっと、頁単価最安値を更新か? でも、コンテンツは再利用(とはいえ増補分あり)。

●加藤典洋『戦後的思考』講談社●

501頁。2700円+税。5.4円/頁(税別)。「『敗戦後論』から『戦後的思考』へ――/『戦後』という経験が拓く新しい思想の地平。その核心に、分裂と断絶を超えて普遍へと向かう思考のダイナミズムをとらえた画期的論考」

中井久夫を3.5円下回る超特価。とはいえ『群像』連載作品の集成。とはいえ、こちらも加筆増補あり。

●R.コールハース『錯乱のニューヨーク』ちくま学芸文庫●

鈴木圭介訳。556頁。1500円+税。2.7円/頁(税別)。「建築的欲望は何をめざすか/栄光と悲惨を糧とした都市の歴史的肖像/この書を読まずして現代建築を語るなかれ」。

頁あたり2.7円は、加藤典洋の半分。一見「ええっ、文庫なのに1500円もするのー!」(一般的な反応)と思われるのも故なしとはしませぬが、この数字を見れば納得ですね? え? 頁数だけの問題じゃないだろう、ですって? コールハースは図版も豊富ですよ。そういうことじゃない?

●高坂正顕『明治思想史』「京都哲学撰書第1巻」、燈影社● ●三木清『パスカル・親鸞』「京都哲学撰書第2巻」、燈影社●

「京都哲学撰書」第I期全15巻の第1回配本。第1巻が、4300円+税で540頁。8.0円/頁(税別)。第2巻が、3400円+税で324頁。10.5円/頁(税別)。第2回配本は、2000年01月25日の予定。「西洋哲学史に通暁した碩学・高坂正顕の手になる『明治思想史』は『西洋と日本』という現代に及ぶ主題を彫琢し今も光彩を放つ」 三木清の方は手元にないので帯惹句は省略します。諸君はこれを諒とせられよ。

●カント『カント全集 第8巻 判断力批判(上)』岩波書店●

『カント全集』全22巻+別巻1の第1回配本。牧野英二訳。356頁。5200円+税。14.6円/頁(税別)。「甦るカント/時代を超えて新たな発想を触発しつづけるカント。現代思想としての読み直しをせまる全著作に加え、講義録・書簡等を収める。進展著しい日本の間と研究を担う第一線研究者の参加を得て、新訳で刊行する決定版全集」。でもどうして、第2回配本は、『判断力批判』の続きでなくって『実践理性批判』に行っちゃうの? > 岩波書店御中

たしかに『カント全集』には(ちょっとサイズがあっていない感じの)箱がついていますが、他の本の場合は『カント全集』にはないカヴァーがついているので、頁単価の算定に割り引きは適用されません。

●J.デリダ『法の力』法政大学出版局●

堅田研一訳。226頁。2300円+税。10.2円/頁(税別)。叢書・ウニベルシタス651。「DERRIDA 正義と脱構築」。

●M.ハイデッガー『ハイデッガー全集 第54巻 パルメニデス』創文社●

『ハイデッガー全集』全102巻の第21回配本。北嶋美雪+湯本和男+アルフレド・グッツオーニ訳。340頁。5500円+税。16.2円/頁(税別)。帯なし。

以下は(まだあるんですか)予定。

●D.ナボコフ+M.プルッコリ編『ナボコフ書簡集1』みすず書房●

江田孝臣訳。300頁。予価5200円+税。予頁単価17.3円/頁(税別)。帯不明。2000年02月中旬刊。

●アラン『プロポ1』みすず書房●

山崎庸一郎訳。422頁。予価4400円+税。予頁単価10.4円/頁(税別)。帯不明。2000年02月下旬刊。

●E.カッシーラー『認識問題2-1』みすず書房●

全5巻。既刊は第4巻。須田+宮武+村岡訳。380頁。予価5500円+税。予頁単価14.5円/頁(税別)。帯不明。2000年02月上旬刊。

●木田元編著『ハイデガー『存在と時間』の構築』岩波書店●

岩波現代文庫第1回配本の一冊。予価1000円+税。頁数不明。帯不明。2000年01月14日刊。

刮目してみてください。

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雑談
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ご無沙汰をしております。13号あたりからご購読くださっている皆様におかれましては「あれれ? どーゆうペースで発行しているのかしらん」などと首をひねっていらっしゃる方もあるかもしれません(なにせ、今年に入って二度目の発行なのですからして。今年ももう終わりそうだし)。あるいは、「13号にしてついに息絶えたか?」と思われた方もあるかもしれません。もっとも一般的なケースとしては、「え? わたし、こんなケッタイなメイルマガジン、購読してたっけ? 酔ってるときに申し込んだのかな。ヘンなの!」など、記憶にないケースがあるかとも。ともあれ。まだまだこれからです。

さてお話は変わって雑談です。自分で言うのもおこがましくはあるのですが、と言いながら結局言うわけなので「おこがましくは」なんて言うだけおこがましいのですが、ここ数ヶ月、稼業の追いこみで馬車馬のように労働しておりまして――愚生八雲めはゲームを作って口に糊しておりまする――、書店はおろか劇場や酒場その他悪所場に顔を出す暇もなく、くる日もくる日も泣く泣く労働しておりました(やや脚色誇張)。これが一昔前、そうでさぁね、1994年よりも前だったら、あなた、労働―>私的時間がない―>消費しない―>お金が貯まる―>ハッピー、というサイクルによってわたくしめも、一仕事終えた今ごろは左団扇で悠々自適を決め込んでいるはずのところ。

ところが昨今はというと――読者諸賢もお察しのとおり――インターネット環境が整っていれば、時間も場所も関係なく消費生活に励むことが可能なわけでありまして。(*)わずかの時間を使っては、丸善や紀伊国屋、あるいは、高原書店などに入り浸りまして、むつかしくって読めもしない書物をホイホイと買い求め(クリック、クリック)、果てはわけのわからぬ言葉で書かれたそれこそ本当に読めもしないような書物をば、えいとばかりにその場の勢いで購い(ああ、クリック、クリック)、深夜帰宅する都度、連日のように届いている小包を宅配ボックスからとり出だすというと部屋へ持ちかえる。部屋に入るというと、包みを開けて中身を確認する。そこで風呂にはいろうものなら、出たところでバタンキュウ。翌朝、あわただしく家を出て……(goto *)。お金は使う、本ばかり増える、閑はなし、酒は呑む、クリック はする、という不肖八雲の地獄のような生活点描でありました。

おかげさまで今は稼業が一段落しましたので、地獄のような生活を脱しました。最近は自分で書店に出向いています(あらまあ)。

まったく余計なお世話ですが、みなさまも、どうかお買い物は計画的に。愚生もひとつ、鈴木孝夫先生の『人にはどれだけのものが必要か』(飛鳥新社;中公文庫、1999)を拝読して立派に更正したいと思います(ま、ポーズだけですが)。

ではまた、ご機嫌よう、左様なら。

次号本コーナーでは、吉田浩のバイク生活をつづったドキュメンタリー「バイクと俺」を掲載する予定です。請うご期待!(うそ)

追伸:今週の映画マルバツ・コーナー

 マル――『Pola X』レオス・カラックス監督

 バツ――『COOL』ドニー・イェン監督

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