========●メールマガジン「哲学の激情」Vol.023 (2003/05/31)●========
■「哲学の激情」は八雲出と吉田浩がお送りするメールマガジンです。
■不定期配信です。いつ来るかわからないので気を付けてくださいね。
■ご希望、ご感想、文句などドシドシお寄せください。
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サイト更新状況 (2003/04/30〜 :-)
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●GP MAP
GP MAP【批評集】に以下の書評を追加しました。
★GP MAP トップページ
http://www.logico-philosophicus.net/gpmap/index_gp.htm
★小泉義之『生殖の哲学』
http://www.logico-philosophicus.net/gpmap/books/KoizumiYoshiyuki003.htm
⇒哲学の劇場 > 作家の肖像 > 小泉義之
http://www.logico-philosophicus.net/profile/KoizumiYoshiyuki.htm
●概念の歴史
目下準備中です。
●作家の肖像
作家の肖像【人物事典】に以下の人物情報を追加しました。
★作家の肖像 トップページ
http://www.logico-philosophicus.net/profile/index_profile.htm
★山本義隆(やまもと・よしたか, 1941- )
http://www.logico-philosophicus.net/profile/YamamotoYoshitaka.htm
先頃、みすず書房より『磁力と重力の発見』(全3巻)を刊行した山本義
隆氏の肖像を作成しました。いまでこそ私たちは、山本氏を物理学/科学
史の著作家、あるいはカッシーラーやボーアの翻訳者として知っています
が、彼の最初の著作は、東大闘争の運動にかかわるなかで書かれた諸論文
を集めた『知性の反乱――東大解体まで』(前衛社、1969)でした。今回
の「肖像」ではそこまで書けませんでしたが、将来的にはそうした運動家
としての来歴についても記したいと考えています。なお、『磁力と重力の
発見』については、下記「刮目せよ新刊」もご参照ください。
●激情亭日乗
「激情亭日乗」は随時更新中です。本コンテンツの更新については、更新履
歴でお知らせしておりませんのでご注意ください。といっても、内容は四方
山話ですが :-)
最近の話題から
・「目的の受容と供給」(2003/04/30)
⇒ゲームについて
・「文化的農業」(2003/05/12)
⇒村上春樹『やがて哀しき外国語』より
・「悪寒」(2003/05/25)
⇒北朝鮮による拉致問題の解決を訴える「国民大集会」について
★激情亭日乗
http://diary.lycos.co.jp/view.asp?QnDiaryID=38983
●資料集
★資料集
http://www.logico-philosophicus.net/resource/index_resource.htm
★刮目作品
http://www.logico-philosophicus.net/resource/newrelease/index.htm
刮目作品の情報は、更新履歴でのお知らせなしに随時更新しています。
●作品の愉悦――日々の泡/あれこれの作品をめぐるメモランダム
作品の愉悦【雑録】は随時更新中です。
★作品の愉悦
http://www.logico-philosophicus.net/hedonism/index.htm
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刮目せよ新刊
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世に刮目すべき書物は多けれど、まともにつきあっているとこちとらの身が
持ちかねるのもまた事実。もうやけくそなのではないかと思われる昨今の膨
大な出版物のなかから、吉田・北村・八雲のアンテナにかかった書物を紹介
するコーナーです。「新刊」と称しながらまったく新刊でない場合も多々あ
りますのでご注意ください。
★Kojin Karatani, Transcritique on Kant and Marx (Mit Press, 2003/07)
ついに刊行、柄谷行人『トランスクリティーク』(批評空間)の英訳版。
MIT Pressらしい洒脱な装丁で、カヴァーにはフレドリック・ジェイムスン
の推薦の言葉が。以下、少し引用。"An immensely ambitious theoretical
edifice in which new relations between Kant and Marx are established,
as well as a new kind of synthesis between Marxism and anarchism."
⇒The MIT Press
http://mitpress.mit.edu
⇒哲学の劇場 > 作家の肖像 > 柄谷行人
http://www.logico-philosophicus.net/profile/KarataniKojin.htm
★山本義隆『磁力と重力の発見』(全3巻、みすず書房、2003/05)
磁力・重力という遠隔作用力は、古来西洋ではどのようにとらえられてき
たか? 古典ギリシアからはじまって、近代の始まりまで、磁力と重力を
めぐる概念形成の歴史をたどる実に愉快な博物誌的書物。科学史というよ
りは、前科学史であって、オカルトや迷信をはじめとする珍説の数々がど
のようにあらわれ、影響を持ち、消えていったかを著者は文献の博捜によ
って見事に浮かび上がらせている。従来の思想史ではうすくなりがちなロ
ーマ、ルネサンスに相当の紙幅をさいている点も魅力的。
⇒みすず書房 > 『磁力と重力の発見』
http://www.msz.co.jp/top/yamamoto/index.html
⇒哲学の劇場 > 作家の肖像 > 山本義隆
http://www.logico-philosophicus.net/profile/YamamotoYoshitaka.htm
★ジル・ドゥルーズ『無人島 1969-1974』(河出書房新社、2003/06)
ドゥルーズの未刊行論文集(第1巻)L'ile deserte et autres textes:
Textes et entretiens 1953-1974 (ed. David Lapoujade, Collection
<>, Les Editions de Minuit, 2002) の邦訳がはやくも刊行。
版元の情報によれば、6月26日発売予定。監訳は小泉義之氏。
⇒河出書房新社 > ドゥルーズ『無人島 1969-1974』
http://www.kawade.co.jp/bookdata/bookdata.asp?ISBN=4309242901
⇒哲学の劇場 > 作家の肖像 > ジル・ドゥルーズ
http://www.logico-philosophicus.net/profile/DeleuzeGilles.htm
★「スタニスワフ・レム・コレクション」(国書刊行会、2003/06)
本メール・マガジン VOL.020 にて、ややフライング気味にお知らせして
しまったレム・コレクションの配本がはじまるようです。第1回は、あの
名作『ソラリス』の新訳。なお、国書刊行会の「文学の冒険シリーズ」に
は『虚数』(長谷見一雄訳、1998)、『完全な真空』(沼野充義訳、1989)
が入っている。これを機に、早川書房の品切れ作品も重版しないかしら。
ところで同書肆から刊行の「セリーヌの作品」(全15巻)が先頃足掛け25
年(!)で完結した。この機に品切れの巻が重版されるとの由、お見逃し
なきよう。セリーヌついでに。妻リュセット・デトゥーシュへの聞き書き
本『セリーヌ――私の愛した男 踊り子リュセットの告白』(高坂和彦訳、
河出書房新社)も3月に刊行されている。
★国書刊行会
http://www.kokusho.co.jp/
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雑談
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みなさま、いかがお過ごしでしょうか。哲学の激情 Vol.023 をお送りします。
先日バイクをガレージからひっぱりだし、暖機運転をしている最中に突然あ
る会話を思い出し、しばし考え込んでしまいました。(ちなみに、暖機運転
とは一定時間エンジンを低速で空転つまりアイドリングさせてエンジンを暖
めることです。わたしのハーレー・ダヴィッドソンのように旧型のバイクの
場合、エンジンをいたわるためにも出発前の暖機運転は重要です。)
数年前にA氏宅にお邪魔したときのこと(ちなみにA氏というのは数十年年上
のわれらが学友)。一泊させていただいた出発の早朝、眠い目をこすりなが
らわたしは目覚めました。出発前、まだ肌寒さの残る時分だったので、「
ちょっと暖機させていただきます」と一言。A氏「ふむ」。少し間を置いて
「ところでYさん、暖機運転という言葉は、オートバイ乗りの間では普通に
使われているのかね?」。意表を突かれたわたしは「あ、はい、車やバイク
には普通に使いますけど……」。するとA氏、「そうですか、はあ、そうです
か。ふん、ふーん」と、なにかしきりに考え込んでいる。待ち構えていると、
しばらくしてからようやく口を開きました。
「Yさん、暖機運転という言葉は、旧帝国海軍の用語だということをご存じで
すかな」「いえ、いえ。知りませんでした」「軍艦にも暖機運転が必要なん
です」「確かに」「軍艦のように大きな機関と体躯をもつ乗り物には、暖機
運転が非常に重要です。だから出航の数時間も前から機関のウォーミングア
ップをするのです。海軍では、それを暖機運転と呼んでいました。現在きみ
たちがいう暖機運転も、たぶんそこからきているのでしょう。機関士は出港
の日は他の乗組員たちより何時間もはやく艦に乗り組み、暖機運転をしてい
たんですよ」「そうだったのですか。たしかにそれが海軍の用語からきてい
るというお話は説得力ありますね。実際、暖機なんて言葉は辞書にも載って
いないくらいで、それほど一般的な言葉ではないです」。これで文字通り暖
機運転が完了し調子づいたA氏の舌鋒は、こんどは暖機運転から機関士へと移
っていく。「海軍には、士官学校と機関学校があったのをご存じですかな」
「いいえ。士官学校は知っていましたが、機関学校は知りませんでした」
「機関学校というのは、文字通り機関士を養成する学校でね。機関士が艦内
でつねに全力疾走しているごとく、校内でも廊下だろうが階段だろうが生徒
は全力疾走しなきゃならんかったのです」「それはたいへんですね」「で、
その機関士というのは、なんともいえずかなしいのですなあ」「それは?」
「機関士は、艦が攻撃を受けても最後まで艦の面倒を見なければなりません」
「確かに。機関士ですからね」「つまり、艦が沈むとき、彼らも艦と運命を
ともにするということです。甲板にいる士官なら救命ボートで脱出すること
もできますが、機関士の多くは、艦とともに沈んだのです」。
……長すぎる暖機運転の後に出発したわたしが、旧帝国海軍の軍艦、そして
そこで艦と運命をともにした機関士たちに思いをはせたことはいうまでもあ
りません。
ではまた、次号でお目にかかりましょう。
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