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Bergson, Henri 【ベルクソン, アンリ】 (1859-1941)


■略歴■

1859年10月18日、パリに生まれる。父ミシェル・ベルクソンはユダヤ系ポーランド人の音楽家、母はイギリス人(手許の年譜では名前が出てこない)。アンリは四男三女の二男。1878年、エコール・ノルマル・シューペリュール(高等師範学校)入学。1881年、同校卒業。同年、哲学教授資格取得。アンジェー、ブレーズ・パスカル、ルイ・ル・グラン高等中学などで哲学を教える。1889年、文学博士となる。学位論文『意識に直接与えられたものについての試論』を刊行。副論文は「アリストテレスの場所論」1890年、リセ・アンリ四世の教授に就任。1891年、ルイーズ・ニュービュルジェと結婚。1896年、『物質と記憶』刊行。1897年、コレージュ・ド・フランス講師、1900年、同校教授に就任。1907年、『創造的進化』刊行。道徳・政治科学アカデミー議長、アカデミー・フランセ-ズ会員、スペイン使節、アメリカ合衆国使節、国際連盟国際知的協力委員を歴任。1919年、論文集『精神的エネルギー』刊行。1921年、コレージュ・ド・フランス辞任。1928年、ノーベル文学賞受賞。1930年、レジオン・ドヌール最高勲章。1932年、『道徳と宗教のニ源泉』刊行。1934年、論文集『思想と動いているもの』刊行。1939年の第二次世界大戦勃発とともに、パリを離れ疎開するが翌年、ドイツ占領下のパリに戻る。1941年01月04日、ドイツ占領下のパリで死去。

ベルクソンは遺言で手記、講義録、講演、書簡の刊行を禁じている。



■作品■

1883  James SullyLes illusions de sens et de l'esprit【翻訳】
Illusion, a Psychological Study(1881)を匿名で翻訳出版。

『ルクレーティウスの抜粋』(全集第08巻所収)
修辞学のクラスのために編んだルクレティウスの抜粋集。

1889  Essai sur les données immédiates de la conscience
『意識に直接与えられたものについての試論――時間と自由』(全集第01巻; 合田正人+平井靖史訳、ちくま学芸文庫ヘ05-01、筑摩書房、2002/06)
英訳者F.L.ポグソンによる『時間と自由』の題名でも知られるベルクソンの学位論文。

Quid Aristoteles de loco senserit
「アリストテレスの場所論」(全集第01巻所収)
学位論文の副論文。原文はラテン語。

1896  Matière et mèmoire, essai sur la relation du corps à l'esprit
『物質と記憶――精神と身体の関係について』(全集第02巻; 岡部聰夫訳、駿河台出版社、1995/08)

1900  Le rire
『笑い』(全集第03巻; 林達夫訳、岩波文庫青、岩波書店、1976/11)

1907  L'Évolution créatrice
『創造的進化』(全集第04巻; 真方敬道訳、岩波文庫青、岩波書店、1979/07)

1919  L'Énergie spirituelle
『精神のエネルギー』(全集第05巻; 宇波彰訳、レグルス文庫199、第三文明社、1992/04)
1901年から1913年の間に行った講演や論文を集成した論文集。

1922  Durée et simultanéité
『持続と同時性』(全集第03巻)

1932  Les deux sources de la morale et de la religion
『道徳と宗教のニ源泉』(全集第06巻; 平山高次訳、岩波文庫青、岩波書店、1953/01、1977/03改訂)

1934  La pensée et le mouvant
『思想と動くもの』(全集第07巻; 河野与一+木田元訳、岩波文庫青、岩波書店、1998/09)
1903年から1922年の間に行った講演や論文を集成した論文集。



■一次文献■

■『ベルグソン全集』

以下に白水社より刊行された邦訳『ベルグソン全集』全9巻の全巻構成を記す。

第01巻(1965/05)
 『時間と自由――意識に直接与えられているものについての試論』(平井啓之訳)
 「アリストテレスの場所論」(村治能就+廣川洋一訳)

第02巻(1965/08)
 『物質と記憶』(田島節夫訳)

第03巻(1965/10)
 『笑い――おかしさの意味についての試論』(鈴木力衛+仲沢紀雄訳)
 『持続と同時性――アインシュタインの理論について』(花田圭介+加藤精司訳)

第04巻(1966/04)
 『創造的進化』(松浪信三郎+高橋允昭訳)

第05巻(1965/06)
 『精神のエネルギー』(渡辺秀訳)

第06巻(1965/07)
 『道徳と宗教のニ源泉』(中村雄二郎訳)

第07巻(1965/09)
 『思想と動くもの』(矢内原伊作訳)

第08巻『小論集I』(花田圭介編、花田圭介+加藤精司訳、1966/02)
 本巻には、Écrits et Paroles(1957)に基づき編者・花田氏が選定したテクストが訳出されている。

 エドゥワール・ル=ロワ「エドゥワール・ル=ロワの手紙」(1953/09/29)
 アンリ・グイエ「序言」
 01.「専門」(1882/08/03)
 02.「ルクレーティウスの抜粋」(1883)
 03.「礼儀正しさ」(1885/07/30)
 04.「催眠状態における無意識の擬態について」(1886/07/09)
 05.「オクターヴ・グレアール大学区長への手紙」(1895)
 06.「良識と古典学習」(1895/07/30)
 07.「ポール・ジャネの『形而上学ならびに心理学の諸原理』の分析」(1897/11)
 08.「因果性へのわれわれの確信の心理学的起源についてのノート」(1900)
 09.「講義要約――「アフロディシアスのアレクサンドロス『運命論』について」および「原因の観念について」」(1900-1901)
 10.「心身平行論と実証的形而上学」(1901/05/02)
 11.「『哲学語彙』についての討論、いくつかの哲学用語の使用に関する提案」(1901/05/23)
 12.「講義要約――「プロティノス『エネアデス』第六巻第九編について」および「時間観念の歴史について」」(1901-1902)
 13.「『哲学語彙』についての討論」(1902/05/29)
 14.「ヴォルテール高等中学校の授賞式での講演」(1902)
 15.「中等教育における哲学の位置と性格についての覚え書」(1902/12/18)
 16.「講義要約――「アリストテレス『自然学』第二巻について」および「諸体系との関係における時間観念の略史について」(1902-1903)
 17.「ウィリアム・ジェームズへの手紙」(1903/01/06)
 18.「精神的自由の概念に関する備考、ブランシュヴィクへの手紙」(1903/02/26)
 19.「ウィリアム・ジェームズへの手紙」(1903/03/25)
 20.「クルノ社会哲学についての備考」(1903/06/25)
 21.「ジョヴァンニ・パピーニへの手紙」(1903/10/04)
 22.「講義要約――「アリストテレス『形而上学』第十二巻について」および「記憶理論の発達について」」(1903-1904)
 23.「ラスキンの作品『アミアンの聖堂』マルセル・プルーストの翻訳と序文についての報告」(1904/05/28)
 24.「精神と物質というテーマについてのビネとの討論」(1904/12/22)
 25.「講義要約――「自由問題の発達について」および「ハーバート・スペンサー『第一原理』について」」(1904-1905)
 26.「ウィリアム・ジェームズへの手紙」(1905/02/15)
 27.「ベルグソンとジェームズ・ウォードおよびウィリアム・ジェームズとの関係に関して『哲学評論』の編集長にあてた手紙」(1905/07/10)
 28.「ウィリアム・ジェームズへの手紙」(1905/07/20)
 29.「講義要約――「意志の諸理論について」および「ハーバート・スペンサー『心理学原理』のいくつかの章について」」(1906-1907)
 30.「ウィリアム・ジェームズへの手紙」(1907/06/27)
 31.「『ルヴュ・デュ・モワ』の編集長あての手紙――『創造的進化』についてのル=ダンテク論文ののちに」(1907/08/20)
 32.「哲学の教育についてのアンケート。高等中学校の生徒へのベルクソン哲学の影響についてビネとの討論」(1907/11/28)
 33.「講義要約――「普遍的観念の形成と価値について」および「バークリ『知識原理』について」(1907-1908)
 34.「「幾何学的知性の発達」について、E.ボレルの論文に対する反駁」(1908/01)
 35.「ウィリアム・ジェームズへの手紙」(1908/05/09)
 36.「P.ジョゼフ・ド=トンケデクあての手紙」(1908/05/12)
 37.「ウィリアム・ジェームズへの手紙」(1908/07/23)
 38.「フレデリク・シャルパンへの回答」(1908)
 39.「講義要約――「精神の本性と脳の活動に対する精神の関係について」および「バークリ『シリス』について」(1908-1909)
 40.「ウィリアム・ジェームズへの手紙」(1909/01/21)
 41.「ウィリアム・ジェームズへの二通の手紙」(1909/04/09、30)
 42.「ウィリアム・ジェームズへの手紙」(1909/10/28)
 43.「タルドの抜粋集(息子たちによってなされた)への序文」(1909)
 44.「ウィリアム・ジェームズへの手紙」(1910/03/31)
 45.「「ジェームズとベルグソン」と題されたW.B.ピトキンの論文について」(1910/05/18)
 46.「スピノザについての講義開始にあたってG.エメルのベルグソン=インタビュー」(1910/12/11)
 47.「講義要約――「人格について」および「スピノザ『知性改善論』について」」(1910-1911)

第09巻『小論集II』(松浪信三郎編、掛下栄一郎+富永厚+秋枝茂夫訳、1965/11)
 本巻には、Écrits et Paroles(1957)に基づき編者・松浪氏が選定したテクストが訳出されている。

 01.「オラール牧師の講演「科学の到達しえない実在」にさきだって」(1911/07/16)
 02.「ルドルフ・オイケン著『人生の意味と価値』への序文」(1912)
 03.「コロンビア大学における講義「認識論粗描」および「精神性の自由」のベルグソン自身による要約」(1912-1913)
 04.「J.M.ボールドウィン著『道徳科学におけるダーウィン主義』に関する論評」(1913/06/14)
 05.「フランス・アメリカ協会におけるベルグソンの講演」(1913/06)
 06.「刑事陪審員制についての手紙」(1913/10/19)
 07.「道徳・政治科学アカデミー議長就任講演」(1914/01/10)
 08.「ジャン・フィノ著『進歩と幸福』に関する論評」(1914/06/27)
 09.「フランス哲学概観」(1915/05/15)
 10.「ジャック・シュヴァリエ著『アリストテレスおよびその先行者たちにおける必然の観念』に関する論評」(1916/07/01)
 11.「ハラルド・ヘフディングへの手紙」(1916)
 12.「アカデミー・フランセーズか委員就任講演」(1918/01/24)
 13.「相対性原理に関する覚書」(1922/04/06)
 14.「国際知的協力委員会の第一回会議の報告」(1922/08/01-06)
 15.「同議長の閉会の辞」(1922/08/05)
 16.「古典教育と教育改革」(1922/11/04)
 17.「フローリス・ドラットルへの手紙」(1923/08/24)
 18.「グザヴィエ・レオンのための晩餐会における講演」(1923/12/27)
 19.「『ウィリアム・ジェームズ書簡抄』への序文」(1924)
 20.「レオン・ブランシュヴィク宛のスピノザに関する手紙」(1927/02/12)
 21.「メーヌ・ド・ビラン友の会事務総長への手紙」(1927/09/30)
 22.「ノーベル賞への謝辞」(1928)
 23.「V.ヤンケレヴィッチへの手紙」(1930/08/06)
 24.「R.ムルグ著『幻覚の神経生理学』への序文」(1932/04/27)
 25.「一会員がニューヨークから見たアカデミー・フランセ-ズ」(1935)
 26.「ジャック・シュヴァリエへの手紙」(1936/02)
 27.「批評家ならびに哲学者としてのティボーデについて」(1936/07)
 28.「私の使節行」(1936/08/24)
 29.「A.D.セルティヤンジュ神父への手紙」(1937/01/19)
 30.「デカルト記念会議へのメッセージ」(1937/07)
 31.「イギリスに関するベルグソンの証言」(1938)
 32.「D.アレヴィーへの手紙――ペギーを回想して」(1939/01/25)

■『ベルクソン講義録』

以下に法政大学出版局より刊行された邦訳『ベルクソン講義録』全4巻の全巻構成を記す。

Cours I(1990)
  Leçons de psychologie et de métaphysique (Clermond-Ferrand 1887-1888)
  『ベルクソン講義録I――心理学講義/形而上学講義』合田正人+谷口博史訳、法政大学出版局、1999/04)
  1.心理学講義(全44講)
  2.形而上学講義(全25講)

Cours II(1992)
  Leçons d'esthétique (à Clermond-Ferrand)
  Leçons de morale, psychologie et métaphysique (au lycée Henri-IV)

  『ベルクソン講義録II――道徳学・心理学・形而上学講義』合田正人+谷口博史訳、法政大学出版局、2000/05)
  1.哲学講義総論(全4講)クレルモン=フェラン 1887-1888
  2.美学講義(全2講)クレルモン=フェラン
  3.道徳哲学・政治哲学講義(全17講)アンリ四世校 1891-1893
  4.心理学講義(全19講)アンリ四世校 1892-1893
  5.形而上学三講 アンリ四世校 1893

Cours III(1995)
  Leçons d'histoire de la philosophie moderne, Théories de l'âme
  『ベルクソン講義録III――近代哲学史講義/霊魂論講義』合田正人+江川隆男訳、法政大学出版局、2000/09)
  1.哲学と哲学史補講(全6講)クレルモン=フェラン 1884-1885
  2.近現代哲学史講義(全8講)アンリ四世校 1893-1894
  3.『純粋理性批判』についての講義 アンリ四世校 1893-1894
  4.霊魂論講義(全7講)アンリ四世校 1894

Cours IV(2000)
  Cours sur la philosophie grecque
  『ベルクソン講義録IV――』合田正人+高橋聡一郎訳、法政大学出版局、2001/10)
  1.プロティノス講義
  2.ギリシャ哲学
  3.哲学史
  4.ギリシャ哲学史〔黒いノート〕



■ニ次文献■

1913
・錦田義富『ベルグソンの哲学』(警醒社; 改訂版、1932)

1937
・坂田徳男『ベルグソン――創造の哲学』(河出書房)

1946
・安部光槌『ベルグソン哲學』(上・中・下、建設社)

1948
・今井仙一『ベルグソン』(弘文堂)

1953
・今井仙一『ベルグソン科学入門』(創元文庫)

1955
・Rose-Marie Mossé-Bastide, Bergson éducateur(P.U.F.)
 G.ドゥルーズ『ベルクソンの哲学』(宇波彰訳、叢書・ウニベルシタス、法政大学出版局、1974)

1958
・淡野安太郎『ベルグソン』(勁草書房)

1966
Gilles Deleuze, La bergsonisme(P.U.F.)
 G.ドゥルーズ『ベルクソンの哲学』(宇波彰訳、叢書・ウニベルシタス、法政大学出版局、1974)

1975
Gilles Deleuze, Mémoire et vie(textes choisis par Gilles Deleuze, P.U.F.)
 G.ドゥルーズ編『記憶と生』(前田英樹訳、未知谷、1999/08)
 ドゥルーズが編んだベルクソン撰文集

1977
・中田光雄『ベルクソン哲学――実在と価値』(東京大学出版会)

1982
・森脇善明『小林秀雄とベルグソン』(JCA出版)

1983
Gilles Deleuze, Cinéma 1: L'image-mouvement(Ed. Minuit)

・市川浩『ベルクソン』(人類の知的遺産59、講談社、1983/05; 講談社学術文庫971、講談社、1991/05)

1985
Gilles Deleuze, Cinéma 2: L'image-temps(Ed. Minuit)

・池辺義教『ベルクソンの哲学』(レグルス文庫、第三文明社)

1986
・中島盛夫『ベルクソンと現代』(塙新書、塙書房)

1999
・清水誠『ベルクソンの霊魂論』(創文社)

2000
・檜垣立哉『ベルクソンの哲学――生成する実在の肯定』(勁草書房)

・石垣優『時間を生きる――ベルクソンの時間をめぐって』(文芸社)

2001
・石井敏夫『ベルクソンの記憶力理論――『物質と記憶』における精神と物質の存在証明』(理想社)

未整理
・沢瀉久敬『ベルクソンの科学論』(中公文庫)

・Vladimir Jankélévitch, Henri Bergson
 V.ジャンケレヴィッチ『アンリ・ベルクソン』(阿部一智+桑田禮彰訳、新評論、1988/06; 増補版、1997/01)

・Jean-Louis Vieillard-Baron, Bergson(P.U.F.)
 J.-L.ヴィエイヤール=バロン『ベルクソン』(文庫クセジュ742、白水社、1993/05)

・Jacques Chevalier, Entretiens avec Bergson
 J.シュヴァリエ『ベルクソンとの対話』(仲沢紀雄訳、みすず書房)

・アントアーヌ・セルティヤンジュ『アンリ・ベルグソンとともに――持続論・科学論・宗教論』(三嶋唯義訳、行路社、1976/09)



■リンク■

ひらいやすし‐『意識に直接与えられたものについての試論』の訳者・平井靖史氏のサイト。
ベルクソンのページ‐ベルクソン研究者・杉山直樹氏のサイト。



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