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「待ち望まれていた本質的な「知性の書」」――石田英敬氏 「驚くような指摘/めくるめく展開」――大澤真幸氏 |
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山本貴光+吉川浩満 『心脳問題――「脳の世紀」を生き抜く』 |
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――脳がわかれば心がわかるか? 脳科学の急速な発展のなかで 正気を保つための常識と作法を示す 誰も教えてくれなかった「脳情報とのつきあいかた」。 ■発行:朝日出版社 ■発売:2004年06月09日(ロックの日) ■頁数:四六判 360+xixページ ■ISBN:4-255-00277-0 ■定価:2100円(本体)+税 ■分野:哲学思想・脳科学 イラスト=ワタナベケンイチ 装幀=有山達也+中島寛子+飯塚文子(アリヤマデザインストア) 編集=赤井茂樹+荻野僚介+津田路子(朝日出版社第2編集部) |
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石田英敬氏 東京大学 大学院 情報学環・学際情報学府 教授 同大学院 総合文化研究科 言語情報科学専攻 教授 今日確かに「脳」はエキサイティングな発見のフロンティアだ。しかし氾濫する「脳情報」の本当の価値を見定めまっとうな判断力をもつために私たちはいったいどうしたらよいのか? 本書が提唱するのは「脳の世紀」を生き抜くための「脳情報のリテラシー(読み解きかた)」である。 「脳がわかれば心がわかる」のか? そのような「常識」に隠されている「難問」とは何か? 著者たちは「心脳問題」をキーワードに脳研究の根本問題を明らかにする。そこに表れたのは「人間はモノの法則だけで説明できるか」という古くも新しい哲学的な問いであり、科学的原理と人間的自由とのせめぎあいである。「脳」に関してなぜそのような根本的な問いが今日集中的に出現しているのか? 私たちの「社会」は「脳問題」においていったい何を語るのか? 脳を原理とし脳に働きかける「コントロール型社会」における「生」とはどのようなものなのか? 明快な語り口で「脳の世紀」に鋭く切り込み、脳情報の「読み解きかた」を提示することで、私たちの今日的な「生の条件」にせまる、待ち望まれていた本質的な「知性の書」がここにある。 石田英敬(作家の肖像)
大澤真幸氏 京都大学 人間・環境学研究科 助教授 私たちは、一般に、脳と心との間に、何か特別な結びつきがあると思っている。心と脳の活動は同じものなのか、あるいは脳の活動が心の作用を生み出すのか等、いろいろと考えられるが、ともかく、脳と心の間には何らかの深い結びつきがある、と広く信じられており、その「信」を前提にした啓蒙書が巷に溢れている。だが、考えてみよ。脳は、いっこの物質であって、その活動は完全に自然法則に支配されている。しかし、心には、自然法則には還元できない「自由」がある。そうだとすれば、両者はどのように関係しているというのか。これは「心脳問題」と呼ばれる哲学上の第一級の問題である。 本書は、まず前半で、この問題をどう考えるべきかを議論する。ここで、読者は、心脳問題が――解決というより――解消されていくのを見るだろう。何しろ哲学史上の最大のジレンマが氷解する場に立ち会うのだから、これだけでも、十分にエキサイティングだが、しかし、こういった問題は「ある種の知的な気分」に襲われたときにのみ関わりあうものであって、日常生活にはさして影響はないと考えるのが普通だろう。だが、本書の後半の考察は、この「知的な気分」が、今日では、同時に「政治的な気分」でもあることを教えてくれる。つまり、現在の脳情報の氾濫は――つまり「脳中心主義」は――、権力形態の根底的な変容と結託している、というのだ。20世紀の核物理学が、知的な探究を越えて、政治的な営為でもあったということは、誰でも知っている。だが、そうだとするならば、脳科学も、政治的な含意を伴う活動だと見なさなくてはならない。ちょっと驚くような指摘ではないだろうか。 展開のテンポは速くて、小気味がよい。途中でいろんな哲学者に出会う。ギルバート・ライルに始まって、大森荘蔵を経由して、さらにフーコーやドゥルーズに出会った後に、最後にベルクソンの「持続」の概念に辿りつく。ジェットコースターに乗っているようなめくるめく展開だ。 大澤真幸(作家の肖像)
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この本は、「脳の世紀」を生き抜くために必要な基礎知力を養うことを目的としています。
二一世紀はしばしば「脳の世紀」と呼ばれます。近年になって急速に発展した脳科学が、人間の脳内活動を着々と解明しつつあるからです。 そうした脳科学の知見をはじめとして、ちまたには多くの「脳情報」(脳に関する情報)が流通しています。これはとりもなおさず現代人にとって、脳という器官が切実な関心の対象となっていることを物語っています。 しかし他方で、提供される脳情報があまりに多量かつ多彩なため、どの情報を信じてよいのか、重要な問題がなんであるのかを判断するのがとても難しくなっています。 こんなときに必要なことは、闇雲に新たな情報を仕入れることではありません。それでは混乱の度が増してしまうばかりです。必要なことは、そもそもそうした脳情報とどのようにつきあえばよいかをあらためて考えてみること、いいかえると、「脳情報のリテラシー(読み解き方)」を身につけることです。 現在書店には脳にかんする多数のすぐれた研究書や啓蒙書が並んでいます。それらの書物をひもとけば、脳の仕組みや働きについてのさまざまな知識を得ることができます。けれども、それらの情報がわたしたちにとってどのような意味を持つのか、それらの情報をどのように読み解いたらよいのかということを教えてくれる書物はなかなか見つかりません。 知りたいけど教えてくれる本がなかったので及ばずながら書いたのがこの本です。 (中略) 本書には以下のような効用があります。 1――脳をネタにした言説の読み解きかたがわかる。 2――脳研究の問題意識と方法がわかる。 3――脳科学が人間と社会にもたらす問題の所在がわかる。 また、巻末には100冊以上の関連書をコメントつきで紹介した「作品ガイド」もついていますので、心脳問題ブックガイドとしても活用できます。 「まえがき」より |
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まえがき
第一章 脳情報のトリック―― カテゴリー・ミステイクとパラドックス はじめに 脳とわたし――ジレンマ 「だから」の錯誤――カテゴリー・ミステイク 「じつは」の欺瞞――パラドックス [間奏] 頭がよくなる? 第二章 心脳問題の見取図―― ジレンマと四つの立場 はじめに 心脳問題という難問――やさしい問いとややこしい議論 心脳問題の特質――「ある種の知的な気分」 回答集――四つの立場 [間奏] 脳研究小史 第三章 心脳問題の核心―― アンチノミーと回帰する擬似問題 はじめに 心脳問題の争点――カントの第三アンチノミー アンチノミー=ジレンマの解毒剤――「重ね描き」 権利問題と事実問題――ジレンマふたたび 解決されず解消あるのみ――回帰する擬似問題 [間奏] デカルトの神話 第四章 心脳問題と社会―― 社会と科学、そして生 はじめに 科学の原理――同一性と一般性 科学の力――科学/技術とジレンマ 脳科学――「脳のスペック」 脳中心主義――現代社会の根本教理 脳科学と社会――バイオテクノロジーとコントロール型社会 心脳問題の横滑り――「ある種の知的な気分」の政治性 終章 持続と生―― 生成する世界へ はじめに 科学の限界――持続と特異性 持続の相の下で――構成物としての心脳問題 作品ガイド あとがき 事項索引/欧文事項索引/人名索引/作品名索引 |
ブックフェア「心と脳の謎に迫る」(仮)
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| *詳細が決まり次第、お知らせします。 |
山本貴光+吉川浩満『心脳問題――「脳の世紀」を生き抜く』発刊記念イヴェント
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本書の発刊記念シンポジウムが下記のとおり開催されます。 *シンポジウムは終了しました。多くの方のご参加、まことにありがとうございました! ■出席者=小松美彦+絓秀実+山本貴光+吉川浩満 ■日時=2004年7月10日(土)16:00〜 ■会場=近畿大学東京コミュニティカレッジ(東京・四谷) ■お問い合わせ先=03-3351-0591 / 予約不要、入場無料 |
| 本書に寄せられた書評、コメントをご紹介します。 |
小西聖子氏 評「脳情報のトリック破る親切な解説」
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インターネットのあちこちを巡っていると、ときどき、とても親切なサイトに出会うことがある。 何かのキーワードを検索してみると、たくさんの名あり、名なしの人たちが、言葉について解説したり、経験を述べたり、本を批評したりしている。内容に首を傾げてしまうものも多いし、作成途中で放り出してあるサイトもある。でも中には、手間を惜しまない、わかりやすい解説やていねいな情報提供で構成されている質の高いサイトもある。そういう個人のサイトは、専門家の書く解説書とちがって、学会や論敵を意識したり、海外文献の引用にこだわったりというような個人的欲望による雑音が少ないので、ほんとうにわかりやすい初学者案内になっていて感動することもある。 この本は「哲学の劇場」というサイトから生まれた。「哲学の劇場」は「専門の研究者でもない筆者が労働の合い間をぬって(または労働をサボりながら)書き継いできた書評やエッセイ、敬愛する作家の作品情報などを掲載して」いるウェブサイトである。著者二人はゲーム製作などを仕事としている。哲学者ではない。 この本の私の印象は一言で言えば、「親切」ということである。わかりやすいという親切、内容豊富で気前がよいという親切、情報整理が行き届いているという親切。 はじめに本の目標は「脳情報のリテラシー(読み解きかた)」を身につけること、大量の脳情報とどのように付き合っていけばよいかを知ることだ、と書いてある。いや正確に言うなら「身につけることではないでしょうか」とやわらかい口調で軽快に書いてある。 脳の仕組みを説明し、それによって日常行動の疑問について答えようという本が今たくさんある。こういう本のからくりを明かすことから話は始まる。「たとえば、電車の中で化粧をするといった恥知らずな(?)ふるまいは脳に原因があると述べる脳科学者がいます。」「これらの本は人々を魅了しています。……それによって……悩みが解決したり、自分のアイデンティティを確認できたりするからかもしれません。」 こういう本の主張はあるトリックによって成立しているのだ、と筆者は言う。そのトリックの要点は、 1 脳の働きが○○なの「だから」、あなたの行動や感情や思考は××になる 2 あなたの××という行動や感情や思考は、「じつは」脳の○○という働きに過ぎない ということにつきる。「だから」のほうのトリックは、カテゴリーの異なることに因果関係をつけている誤りから生じていること、「じつは」のほうのトリックは実際にはここには根本的なジレンマが存在しているのに、それをないかのごとく扱っていることにもとづくのだと解説される。 結局、ごまかされずに、またごまかさずに脳科学の情報を読み解くためには、心と脳、心と身体に関する問題の本質について知る必要があるということになり、しかしながら、それは何かひとつの正解が提示できるようなことではなく、現在ではこの問題は必然的に高度に政治的な意味を帯びている、という結論があらわれる。 ほかにもたくさんの面白いことが書いてあり――ここで数行で説明するのは至難の業だ――日本語で読める脳科学や哲学の本が古典から最新のものまで紹介されている。基本的には心身問題に関する哲学の解説本だといえるのに、最後までスピード感があり、全く飽きさせない。 『毎日新聞』2004年6月27日(日)「本と出会う――批評と紹介」 * |
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小林浩氏 評「「頭に良い」だけのサプリ系ドリルにはない深みと広がりに出会える、特異な入門書」
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「頭に良い」という名目の食事やらサプリメントやら、はたまた運動やら大人向けの基礎ドリルなどが世間で注目され喧伝されている昨今、そもそも「アタマ」って何だろうと考えてみてもなかなか分からない。そうした日常の疑問が実は有史以来の難問に直結していることを教えてくれるのが本書。ウェブサイト「哲学の劇場」を主宰する二人による、初の書き下ろし作だ。社会学者の大澤真幸が「驚くような指摘/めくるめく展開」と絶賛している。本書は「脳情報のリテラシー(読み解きかた)」を読者に提供することを目的としている。つまり、脳科学を易しく解説することに終始するのではなく、そもそも脳をめぐるさまざまな研究書や啓蒙書が現代人にとってどのような意義を持ち、より平たく言えばそれらの情報がどのように私たちの生活、生きることに関わりあってくるのかを整理してくれているのである。著者は二人とも専門家でない分、読者の目線に合わせた説明を心がけていて好感が持てる。巻末の書籍ガイドも充実。 bk1 2004年6月29日(火)「人文レジ前」 * 月曜社
ウラゲツ☆ブログ
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菅靖彦氏による書評
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『南日本新聞』2004年7月11日、『山陰中央新報』2004年7月11日、『山陽新聞』2004年7月11日、『福井新聞』2004年7月11日、『福島民友』2004年7月11日、『沖縄タイムス』2004年7月10日、『福島民報』2004年7月10日、『神戸新聞』2004年7月18日に掲載。 |
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amazon.co.jp カスタマーレビュー
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茂木健一郎氏、山形浩生氏ほかによるレヴュー。 『心脳問題』カスタマーレビュー(amazon.co.jp)
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bk1書評
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オリオン氏ほかによるレヴュー。 『心脳問題』bk1書評(bk1)
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世善知特網旧殿
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如月氏によるレヴュー。 如月氏による書評(世善知特網旧殿)
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『FRaU』通巻318号 2004年7/27号
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ブックレヴュー。 『FRaU』(講談社)
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『R25』2004年08月05日号
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「R25的ブックレビュー」No.6「うさんくさい常識にドロップキック」のレヴュー。 『R25』(RECRUIT)
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| 刊行後に発見された誤植の一覧です。訂正してお詫び申し上げます。 |
| NO. | 頁 | 行 | 誤 | 正 | 備考 |
| 01 | 61 | 8 | 「あなたがわかる本」 | 「わたしがわかる本」 | 2刷で訂正 |
| 02 | 86 | 7 | 統一理論 | 根本理論 | 2刷で訂正 |
| 03 | 87 | 15 | 覚醒せよ | 覚醒せよ! | 2刷で訂正 |
| 04 | 89 | 8 | 物質である心と非物質である脳 | 物質である脳と非物質である心 | 2刷で訂正 |
| 05 | 100 | 2 | 「システムと」 | 「システム」と | 2刷で訂正 |
| 06 | 102 | 10 | デイヴィッド・チャルマーズ | デイヴィッド・J・チャルマーズ | 2刷で訂正 |
| 07 | 102 | 11 | 白楊社 | 白揚社 | 2刷で訂正 |
| 08 | 266 | 7 | What Sort of People Should There Be? | What sort of people should there be? | 2刷で訂正 |
| 09 | 328 | 6-7 | 1976-1978 | 1976-1977 | 2刷で訂正 |
| 10 | 349 | 6 | 無意識の脳 意識の脳 | 無意識の脳 自己意識の脳 | 2刷で訂正 |
| 11 | v | さ行 | 心理学化 | 心理学化する社会 | 2刷で訂正 |
| 12 | Xii | か行 | カント, イマニュエル | カント, イマヌエル | 2刷で訂正 |
| 13 | xvii | さ行 | 覚醒せよ | 覚醒せよ! | 2刷で訂正 |
| 14 | xix | ま行 | 無意識の脳 意識の脳 | 無意識の脳 自己意識の脳 | 2刷で訂正 |
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